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2007.05.18(Fri)
天王寺公園を後にして次は
あいりん地区へ。
日本最大級の日雇い労働者の町。
今まで行ったことなかったのだけど
同じ関西人として本の知識だけでなく
現実を見たいなと以前から思って
いたので行ってみることに。


あいりん地区の場所はおおざっぱに言うと
西成区の南海新今宮以南、阪堺電鉄以西。
先日の架空の住民登録で問題になったように
ものすごい人口密度でおっさん達が
生活している。


過去には何度も暴動が起こり
警察署が包囲されたり駅が放火されたりと
なかなかデンジャーな町でもある。


まず着いて初めに感じたのは物価。
超がつくデフレ。
飲料自販機は50円なんてザラ。
弁当屋もそこそこ空腹が満たされそうな
弁当が200円とかで売られている。


それからドヤの多さ。
「宿」の逆さ言葉と言われている。
素泊まりの簡易宿泊所。
数メートルおきにひしめき合っているのには
驚いた。
一泊1000円なんてのもたくさん
見かけた。


とにかくやたらと怒声が聞こえる。
おっさんVS警察官。
おっさんVSおっさん。
おっさんの独り言。
バツが悪い人が多いのだろうか。
しかし大声で話している内容は
全く意味不明で要領を得ないものが
多いようだ。
だからか警察のパトロールの頻度もかなりだ。


あいりんのメインストリートは
南海線路沿いである。
ここには西成労働福祉センターがある。
日雇い労働者向けのハローワークみたいな
ものだ。
労働者は早朝ここで仕事の斡旋を受ける。
あぶれたら馴染みの手配師を頼るしかない。
もちろんセンター経由の仕事の方が
労働トラブルなどの際の心配が
少ないだろう。
そして早朝にはたくさんの朝市が出る。
ここで売っていないものはないと
俗に言われている。
つまり薬も簡単に手に入るってことだ。
あいりん住民の早朝は早い。
4時頃からみな動いている。


夕方だったので市は少なかった。
拾った新聞や雑誌を売っているのと
何に使うかわからないような
ガラクタを並べているのくらい。
そしていよいよセンターに着いた。
かなり年季の入った建物だ。
むき出しのコンクリートが寒々しい。
壁には建築現場系や港湾荷役系と
いった感じで作業種別ごとの
矢印が書かれていた。
その矢印の方向の窓口に
早朝並びなさいということだろう。
壁にスプレーで直接書かれたと
思われる字と矢印は相当の年月が
経ったのだろう、色褪せて
今にも消えそうな弱々しい字だった。


屋根の下がすごいことになっている。
おっさん、おっさん、またおっさん。
カバン、新聞、カバン、新聞。
どうやら明日の朝のための窓口の
順番取りが始まっているようだ。
横に2、3列で50メートルは
列が伸びていただろうか。
野球の自由席の席取りじゃあるまいし、
などと思うのは野暮なことで
おっさん達にとっては明日のお飯が
食べられるかどうかが決まる大事な
順番なのだから早くから並ぶのは
当然だ。


並んでいる人のなかに私と歳が
さほど変わらないであろう青年がいた。
一人でポツンと座っている。
身なりは綺麗であまり日焼けも
していないのでまだ新入りかもしれない。
それまではおっさんしか見ていかったので
リアリティに欠けていた部分があったが
一気に目を覚まされた。
なんとなく悲しい気分にもなった。


列は誰かが整理したわけでもないだろうに
整然と作られていた。
きっと長年の間に自然にそうなったのだろう。
列に座って待っている者、
列から離れてカバンなどで場所取りを
している者。
仲間と何やら情報交換をしている者。
ここまで見てくると、積極的に群れる
タイプのおっさんと孤独なおっさんの
二種類がいることがわかってきた。
郷に入れば郷に従え。
きっと群れるタイプの人の方が
人脈が増えて仕事を得る機会も
多くなるだろう。


ざっと30分ほど歩いてみた。
感想として思いのほか高齢化が
進んでいることが印象深い。
ほとんどが60代以上だ。
世間なら孫がいてもおかしくないような
年恰好の人が多い。


それと空気。
新今宮の駅から明らかに空気が変わった。
他の人のあいりんレポートでも
頻繁に指摘されているけれどアジアの
空気があいりんには流れているらしい。
別に焼肉やホルモン屋が多いという
五感で感じられるような空気の変化とは
異質のものを感じた。
何か重たくて、黒くて、
でも全く余所者を排除するような
息詰まった感じではなくて
自由で熱気うずまく空気。
こんなところかな。
多分行ってみないとこれは
わからないかもしれない。


昼間から酒を飲みカラオケを歌うおっさん、
なけなしの金で弁当を買うおっさん、
その残飯を集めるおっさん、
ウィークリーマンションを借りるおっさん、
たまにドヤに泊まるおっさん、
段ボールに包まって寝るおっさん、
道路脇、建物に寄りかかるようにして
眠るおっさん。
おっさんも色々だったが格差が
確実に存在していることは
ひしひしと感じた。
ある意味人生を上手く生きられる
処世術に長けた人間が生き残る
世界なのだろう。
きっと我々が生きている資本主義とは
違った意味で厳しい世界だと思う。
しかし食うに食われず、
眠るに眠られず、
挙句に病気になっても治療を
受けられず絶命するおっさんは
後を絶たないのだろう。
私が大上段から何を言っても
何も変わらないことはわかっている。
けれど実際の現場を見て、
異質の空気を感じたからには
そういうおっさん達を見殺しに
なんてしたいとは思えなくなった。
生きていたら何かいいことあるよ、なんて
超リアリストの私には似合わない
けどこれで閉めさせてもらいます。

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